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短編

愛・地獄変
adultman様:作



[紹介文]年老いた男が訥々(とつとつ)と語る、「男親と娘」のお話です。



(序章)ご挨拶

私はここに告白いたします。

父と娘の間の愛の哀しさを、どうしても告白せずにはいられないのです。

ここにおいでの殆どの方々が、おぞましさを感じられることでしょう。

が、私にしてみれば恐ろしいことながらも、快楽でした。

無上の歓びと申しましても過言ではありますまい。

私は十有余年の間というもの、告白の機会を伺いつつ、今日まで口をつぐんでき たのでございます、はい。

娘の命日である今日のこの日に、是非ともお集まりの皆様方にお聞き頂きたいと 思いまして。

私自身と致しましては、このことを決して罪悪だとは思っていないのでございま す。

が、ここ一週間の間というもの、嫌な夢を毎晩見続けたのでございます。

その夢というのが、何とも身の毛もよだつものでございまして。

おそらくは、その夢を忠実にお話ししたとしても、その十分の一の恐怖感も皆さ ま方には、わかっていただけないでしょう。

夢 ━ それは地獄の夢なのでございます。

あなた方は、閻魔大王の存在を信じていられるでしょうか?

いやいや、地獄そのものの存在を信じていらっしゃる方は、少ないことでござい ましょう。

かくいう私と致しましても、信じたくはないのでございます。

このような恐ろしいものがあってなるものかと、思うのでございます。

どうもお待たせいたしました。

前置きはこの位に致しまして、その夢についてお話しましょう。

と申しましても何しろ夢のことでございます、突飛な事柄もございます。

荒唐無稽と思われるかもしれません。

又、私の感じた恐怖感を十分にお伝えできないかもしれません。

しかしどうぞ、お汲み取りいただきたいのでございます。




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