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( ゚д゚)ポカーン

短編

ムサシひとり
postman様:作



[紹介文]天才剣士佐々木小次郎 vs ムサシ

第一章



勝負は一瞬にして決まっていた。

誰もが、己の目を疑っていた。そしてその疑いが強ければ強いだけ、それはムサ シへの賞賛に拍車をかけた。

「フー、フー」と、荒い息づかいの中、ムサシは賞賛の嵐を心地よく受け止めて いた。

『小次郎を倒した』



血のりの渇かぬ櫂を持ったまま去りゆくムサシを、陣を張ってその試合を見てい た武士達は、追った。

あれ程にムサシを蔑み、中には声をからせて口汚く罵った武士でさえ、ムサシを 賞賛した。

その賞賛は、皮肉にも小次郎にとっては、「剣の天才」としての誇りを捨てさせ ず、その名の下に、 ムサシを剣客ではなく、一人の時代遅れの兵法者として感じ させた。

小次郎はすでに息絶えていた。その死に顔は、苦痛に歪んではいなかった。穏や かな・・・否、どうお伝えしようか・・・安らぎ・・解脱・・

「これから、ひとりで進め!道標べもなく、唯々彷徨う(さまよう)がいい!」

「その邪剣に悩め!その卑怯さに悔やむがいい!」

ムサシに対する、優しさと軽蔑の色がうかがいしれた。

そんな小次郎を見ることもなく、ムサシは去った。

そしてそんな小次郎の元に駆 け寄る武士もいない。

何事もなかったかのように、押し寄せては引く波に 小次郎の赤い血がさらわれて いた。




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