恋愛仙人の
モテ度診断☆
◆短編
ムサシひとり
postman様:作
第二章
『ヤブレタリィ、コジロ!』
およそ人の声とは思えぬその怒声に、一瞬、小次郎はたじろいだ。
小次郎の長剣よりも長いムサシの櫂は、一瞬間、小次郎の視界からムサシと共に
消えた。
剣の天分に関しては、小次郎の足下にも及ばないムサシの体を見失った小次郎は
、焦りと不安の色を、その時だけは隠せなかった。
小次郎の顔は蒼白となり、目は焦点を失った。
小次郎の天分の象徴ともいうべき長剣は、忌まわしいムサシの一言で、秘太刀「
燕返し」を忘れた。
『ヤブレタリィ、コジロ!』
ムサシの口から放たれたその言葉に、小次郎は金縛りにあった。
そこにはムサシではなく、数百・数千の民衆と、そして朱美の、それらが一体と
なったー巨像があった。
“あのムサシってのは、人間じゃねぇんだってょ。唐天竺から追い出された、鬼
神だって話だ。”
“兎に角、すごいの何の。名門吉岡清十\郎といい、今度の仇討といい、まるで鬼
神だそうだ。二本の刀を自由自在に振り回して、バッタバッタと切りまくったそ
うな。”
“それにしても、ムゴイじゃないか。まだ年端もいかねぇ子どもまでもよぉ。”
“そういゃ、あのムサシ。米の飯は喰わずに、鳥や獣を喰うそうじゃねぇか。草
や木の根っこもかじっているそうな。恐ろしいこった。”
“兎に角、大男だとょ。眉毛が赤く、目は青いそうだ。しかも、ギラギラ光って
るんだと。鼻なんかもょ、上唇にくっつくかってぇ話だ。”
“口も、仁王様みてぇにでっけぇらしいぞ。”
“小次郎様、朱美は嬉しゅうございます。でも、哀しゅうもございます。あのム
サシという男、鬼神との噂\。いかな小次郎様でも、かなわぬとのもっぱらの噂で
ございます。”
“朱美は、小次郎様が憎い。殺してやりたい。でも、・・・。お願いでございま
す。ムサシとの試合、おやめになってくださいまし。朱美の一生のお願いでござ
います。”
次へ
エロ出会い専門サイト!
写メ投稿★掲示板
ト短編TOPへ戻る

(c)携帯小説襯iscovery