★H度診断★
好きな体位は?

短編

夏の空
シュウ様:作



[紹介文]初めてですので面白いか分かりませんが読んでみて下さい


8月の中頃、空は青くすみわたり、
暑さが体から汗を噴き出たせる。


今日は土曜日だというのに、
学校に向かって走っている少年がいた。


「遅刻だ!」


時刻は8:25を回ったところだ。
部活の開始は8:25からでるが、
白いカッターのボタンをとめながら全速力で
走っている少年のその場所は学校からまだまだ離れている。


「おはようございます!」


「遅い!何をしていたの!
集合時間は厳守って何度も言ってるじゃない!春人」


息を切らしながら怒られているのは
この高等学校の弓道部に所属する一年生、桜 春人である。


「すいません、秋先輩。」
現在二年生で春人の先輩である堂 秋子(秋先輩)は
春人に弓道の基礎を教える担当をしている。


この学校の弓道部は少し変わっていて、
先輩が後輩に1人ずつ付き、ワンツ-マンで教える体制をとっている。


秋子の方針に春人は従わなければいけないのだが、
弓道場にはこの二人以外には誰もいない。


「秋先輩、いつも早すぎじゃあないんですか?
大体、今日は練習午後からじゃないですか。」


「さ、まずはストレッチから始めるわよ。早く着替えなさい。」
完全に無視である。春人は渋々カッターを脱ぎ、胴着を着る。


春人と秋子は簡単なストレッチを済まし、
ゴムを使っての体の弓を引く時の形を作る練習を始めた。


「ゴムは筋肉で引くものじゃないのよ。
体の力を抜いて、胸から開く感じで引きなさい。」


春人は入部して以来、一年の中では形も綺麗であり、
既に巻き藁に向かって弓を引いている。それは秋子も認めている。


……二時間が経過した。
「よし、もうゴムはいいわ。じゃあ次は…」


(ふぅ、やっと巻き藁を引かせてもらえるよ)
春人はゴムを巻きながら秋子の指示を待っていたが、
「実際に的に向かってみましょうか!」


『え!?』
春人は秋子の意外な指示に思わず声を漏らしてしまった。


「待ってくださいよ。俺まだ巻き藁しか引いたことないんですよ?
いきなり的になんて、第一先生が許しませんよ?秋先輩!」


「大丈夫よ。既に先生から許しは貰ってるからね。
さ、早く用意しなさい。」


そう言って秋子は道場の中で準備を始めた。
「これ使いなさい。」


そう言って差し出したのは、
秋子が事前に家から持ってきていた弓と矢だった。


「19キロですか。かなり古いですね。
秋先輩が使ってたやつとかですか?」


「そうよ。最初に私が使っていた矢と弓よ。
弓の弦は代えてあるから心配しないで。
さ、早く立ち位置につきなさい。」


春人は言われるままに立ち位置にある椅子に座った。
そして秋子から簡単なレクチャーを受けてから、


「起立、始め!」
秋子の掛け声に合わせて春人が動く。


春人は矢を弓に取り付けて、いつものように会の形を作る。
しばし静かな空間ができ、パシュっと春人が一本目の矢を放つ、が、
矢は的にはとどいておらず、的の一メートル前の地面に刺さっている。


「押し手(弓を持っている手)がしっかり押せてないわよ!
練習したことをしっかり意識しなさい。」


「は、はい!」
春人は二本目を弓にかけ、再び会の形を作る。


そして再び静かな空間が作られ、
パシュ、と勢いよく矢が放たれる。


カシャッという音と同時に矢が刺さる、
が刺さった場所は矢の真上の砂山であった。


「しっかり伸びなさい。
そうしないと理想的な軌道を描かないわよ。」


「はい!」
そして三本目、矢を弓にかけ、
会の形を作るが、静かな空間を春人は感じることは
できなかった。


自分の心臓の鼓動がとても大きく聞こえてきている。
パシュっと矢を放つ。今回は的の真下の砂山に刺さった。


弓道は基本一人が四本の矢で競いあう。
春人にとってこの四本目が最後のチャンスとなる。


「最後よ。集中しなさい!」


「はい!」
最後の四本目を弓にかける。


春人は弓を引き分けて会の形を作った。
心臓が速く、大きく鼓動している。


しかし、春人は今、自信に満ちていた。
今なら的に当てられる、絶対に。そんな感じがした。


パシュっと矢が素早く春人の手の中から出ていき、
それはまっすぐに軌道を描き、矢が的に吸い込まれていき、そして……


パン!ととても気持ちの良い音が響いた。その瞬間、春人は思った。
(き、気持ちいい!…)


春人は小刻みに震えていた、初めての感じを今体全身で感じているのだ。
「どうだった?初めて的に当てた感想は、快感でしょ?」


「は、はい…」
「その弓と矢はあげるわ。


「え!?いいんですか?」
「あなたが初めて的に当てた弓と矢なのよ。
大切に持ってなさい。」


「あ、ありがとうございます!」
春人はその弓と矢を持ったまま、秋子にお礼を言い、
今度は的に向かって深々とお辞儀をし、大きな声で、
『ありがとうございました!』


その日の空は、とても青かった。しかし、
春人と秋子にはこの青が体の中にまで
浸透していたのだ。この感じは生きてる上で
何度も感じることはできないのであるが、
この感じは二度と忘れることはできないだろう。


8月の中頃、暑さがきつい夏、青い空が二人を包んでいた









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