14・違和感


ふぅーとため息をつく。


ほんとなにやっているんだ・・・僕は。


自転車を引き、小さい用水路を眺めながらまたため息をつく。


お礼を言うタイミングを逃してしまったままだ。


アスファルトの割れ目から雑草が伸び、
バッタが勢いよくジャンプを繰り返し、歩いているそばから逃げていった。


車輪の音が虚しく聞こえる。


家が数軒立ち並んでいる小道を通る。


道端に子供用の自転車が無造作に放置され、
夕暮れの僅かな時間を門扉の辺りで男の子が無邪気に遊んでいた。


子供用の自転車を避けて歩いていると
「そろそろ自転車とおもちゃを片付けなさい」


家の中から母親の割れんばかりの声が聞こえてきた。


振り返ると男の子は自転車の後輪部分を引っ張ろうと顔に力がこもっている。


僕は自転車のスタンドを蹴り下ろし男の子に近寄った。


「ハンドルを持ってて」
と声をかけながら後輪部分を持った。

男の子ははにかみながらニコッと笑い、ハンドルを持つ。


僕は後ろから押してやり自転車を門扉の中へ入れた。


「ありがとう」と可愛らしい声が返ってきた。


僕は手を振りながら「バイバイ」と、
とめていた自分の自転車の所に戻る。




【0018】

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