7・『いただきます』『ごちそうさま』
僕はパン屋へ寄ったり、
レンタルCDショップに寄ったりして休日をのんびりと過ごした。
日は西へ傾きかけている。
家に帰り着くと誰かが家の前で立っていた。
いや覗き込んでいた。
僕が自転車から降りるのに気づき誰かが振り返った。
「よお」
矢野加奈子だった。
矢野の両手には鞄とビニールの買い物袋が提げてある。
「ょぉ」
僕は自転車を車庫に置き、
鞄とパン屋のビニール袋とを持ちながら
v
「どうしたの?」
「宮本君にさ、ここの場所を聞いてきた」
「うん。それで?」
僕は鞄の中に手を突っ込み、家の鍵を探す。
「夜ご飯一緒にどうかな〜と思って・・・食べない?」
矢野はビニール袋を持っている方の手を掲げた。
「う〜ん」
「絶対おいしいから」
「それって誰かの言葉?」
「じゃないけど・・・ねっね」
僕は家の鍵を差込み回して引き戸を開けた。
靴を脱ぎっぱなしのまま玄関に上がり電気をつけた。
「どうぞ」
僕は鞄とビニール袋を居間のソファーに置きながら言った。
矢野は靴を揃えて上がった。
矢野の靴の隣に僕の靴も揃えて置かれていた。
僕は庭に出て洗濯物を取り込みながら
「台所勝手に使って・・・足りないものいっぱいあると思うけどさ」
洗濯物を畳に置き、
台所を覗くと矢野が持参してきたであろう桃色のエプロンをし、
野菜を切っていた。
「野菜炒め作るけど、嫌いな野菜ある?」
矢野は僕に気づきそう聞いてきた。
「別に・・・ないかな」
いつもの矢野とは雰囲気が違ってて、
なんか妙に違和感を感じた。
僕は居間に座り洗濯物をたたむ。
暫く沈黙が続き、ぎこちなさから逃れるため僕はテレビをつけた。
お笑いの人が出演しネタを披露していた。
「急で悪かったね」
「いや、別に・・・耕一、何か言ってなかった?」
「楽しんできてって」
「あっそう」
明日は質問攻めだな。
記者会見の場でマスコミがタレントに質問攻めする光景が思い出された。
洗濯物をたたみ終わり、
ソファーに凭れボーっとしていると「出来た」
っと言う矢野の声でビクッとなる。
居間を覗く矢野。
「寝てた?」
「いや〜」
僕は身体を起こし台所にいく。
【0008】
次へ
戻る
あなたも小説を投稿しませんか?短い内容でもOKだよ!→
投稿ホーム←
☆DISマガジン登録☆
モノクロレターTOPへ戻る
ト襯iscovery覽OPへ戻る
(c)携帯小説襯iscovery