4・矢野と僕


「ごめん、ごめん。待った?こいつが遅くってさ」


耕一だろ。
髪型は変じゃない?とか云々で・・・。


「ごめんなさい」僕は2人に謝った。


焼き鳥が美味い居酒屋のチェーン店で矢野と待ち合わせていた。


店内は平日の夜ということかどうかはわからないが客はまばらだった。


焼き鳥メニューが1つ1つ書かれた紙が壁にびっしりと張り巡らされている。


カウンター席の目前に焼き鳥を焼く店員が煙をまとい焼いている姿が見える。


矢野たちは座敷で掘りごたつ風に足を下ろせる所に2人並んで座っていた。


約束の時間に少し遅れてしまった僕たち。


やっぱり、こういうときは時間厳守が良い印象に繋がっていくのだろうと後で耕一に言っとこう。


「先に適当なもの頼んどいたから」


さすが矢野だと思った。


僕は矢野の前に座り、耕一は矢野の友達の前に座った。


「友達の山嶋範子。同じ高校に通ってた」


矢野に紹介された山嶋は僕たちに一礼した。


「こっちが都築(つづき)くん」


手のひらを僕の方に向けた。


「で、こっちが宮本くん」


「どうも〜宮本耕一で〜す」


すかさず山嶋の手をとり握手でスキンシップする耕一。


「選挙で廻ってる代議士じゃないんだからさ、やめろよ耕一。
山嶋さん、嫌だったらはっきり言ってやった方がいいですよ」


「えっ、はい」


「はいだってさ。やっぱり嫌だったんだよ」


「えっ、マジ?」


耕一は握手した手を残念そうに見つめていた。


「あっ、いえ全然・・・」


「全然だめ?ショック〜」


耕一が頭を抱えてうな垂れている。


僕たちの周りは笑いで満ちていた。


「かんぱ〜い」


僕と耕一は焼酎を呑み、皮、砂肝、つくね、ももを食べた。


矢野たちはサワーを呑み、おにぎりやサラダ、焼き鳥を数本食べ、
最後にデザートの抹茶アイスを食べた。




【0003】

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