3・謎
透き通るぐらいの青空の下で今日の配達を終えた。
眩しい光が辛い。
昨夜、テレビの野球中継を見ながら、
ビールのプルタブを1缶2缶・・・
と次々にあけてしまい、いつも呑む量よりオーバーしてしまったのだ。
今日の空とは対照的な僕の身体。
学生生活が終わりかけた頃に自分の弱さをお酒に逃げてしまった自分がいた。
毎晩お酒を呑み、大学の講義にも出れないことが多々あり、
ある日、僕は白い壁で囲われた部屋のベッドに横たわっていた。
目を開けた瞬間、白い空間の中で僕は天に召されたのだと思い
泣けてきた自分に無性に情けなくなった。
気分は最悪で部屋の天井がぐらりと回転しているように見えた。
点滴の液が管にぽたぽたと落ちて、管を見下ろすと僕の腕と繋がっている。
あの日以来、お酒を呑む量が一気に減りビール1缶で酔ってしまう。
僕は軽めに昼ごはんをとり、耕一と仕分け作業に取り掛かった。
ITが発展しメイルや携帯電話が普及するにつれて手紙の需要はかなり落ちた。
でも台の上にはそれなりに手紙の山が積まれている。
黙々と作業をする僕。
「調子悪いのか?」と耕一が沈黙を破った。
「いや、昨日ちょっと呑みすぎちゃってさ」
「大丈夫かよ」
「ああ」
耕一はあの一件で僕を怒声で叱責しつつも、かなり心配してくれたのだ。
「じゃ今日は無理?」
「何?」
「出会いのチャンス」
今日、
矢野加奈子と呑みに行く約束を今しがたしたばかりだということを知らされた。
「別に・・・昨日の今日だから呑めないけど、それでもいいんだったら・・・」
「おっしゃ」
耕一は大きくガッツポーズをし、
これからのことを想像しているように見え、その姿が可笑しく僕も笑った。
大きい封筒ばかりを集めて束にしていると、耕一が僕の目の前に手紙を差し出した。
僕は素早く受け取り封筒をしげしげと見た。
昨日と同じごくごく薄い緑色の封筒で、
やっぱり昨日と同じ字で同じ宛名が書かれていた。
「だれだろう?」
「さあ〜、その辺のガキンチョがおまえにあこがれているんじゃないの」
僕は自分の人差し指で自分を指した。
「ないない、絶対無い。耕一だったらわかるけどさ」
「だろう。何で俺じゃないのか・・・謎」
【0002】
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