あれからどれ位の時間が過ぎたのか…。

ベッドに横になったまま窓の外を見ると、もう陽は傾いていて、青かった空はオ レンジ色に変化していた。

全身に広がる倦怠感と下半身に残る鈍い痛み。

そして、背後から絡み付いている圭介の腕と体。



「…水人…」

「…ん?」

「…もう一回…したい」

「…っ…、無理に決まってるだろっ!」



こっちは腹にチカラを入れて叫ぶだけでも辛いって言うのに、思いっきり拒否さ れた圭介は背後でブーたれている。

今が今じゃなければ蹴りの一発や二発入れてやりたい。

それでも、圭介と全てが1つになれたと感じるこの心の充足感には、どんなもの も、どんな感情も適わない。

言葉に出して言ってはやらないけど、圭介への愛しさは増すばかり。

心を覆い尽くす幸せな感情にホッと息を吐き出した。



「…なぁ、水人…」

「…ん?」

「俺が高校卒業したら、二人で部屋借りて一緒に住もう」

「…え?」

「大学行ってる間は親の仕送りに頼らせてもらうけどさ。そこも卒業して社会人 になったら、自分達の稼いだ金で一緒に生活すんの。…で、おじさんになっても おじいちゃんになっても、ずっとこうやってイチャイチャしてさ」



「…圭…介」



言葉と同時に俺を抱きしめている圭介の腕のチカラが増した。



どんな表情で言ってるのか、本気で言っているのか冗談なのかいまいち判別のつ き辛い相手の言葉に顔だけを振り向かせると、そこには至極真面目な、茶化すで もなく冗談を言っているわけでもない本気の表情があった。



【0059】

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