横を通り過ぎる社会人が、補導員に質問されている俺達を面白そうな好奇の目で 見ていくのが腹立たしい。

それらをチラリと横眼で見ていると、瀬川が何の気負いもなく声を発した。



「もちろんこれから家に帰るつもりですよ。さっきまでカラオケしてただけなん でね。…でも、もう帰ろうかと思っていたのに、こうやってアンタ達に邪魔され て、早く帰れなくなっちゃいましたけど」



思わず笑いそうになってしまった。補導員相手に素晴らしい程の皮肉だ。

さすがの補導員も苦虫を噛み潰したような表情に変わってしまった。



「俺達、貴方達に捕まるような事は何もしてませんけど…。それにまだ21時に もなっていないのに、どうして補導質問されなきゃならないんですか?」



間を開けずに俺も言い放った。

補導員という人種は、こっちが弱気に出たり暴言を吐いたりすると態度を激化さ せる。

だから、強気で正当な言葉を丁寧にぶつける事がいちばんの対処法だと知ってい た。

案の定、俺達の対応で補導員が気まずそうに眉を顰めた。



「…こ、これから帰るというのなら何も言いません。気をつけて帰りなさい」

「ご丁寧にどうも」



【0041】

次へ

戻る



あなたも小説を投稿しませんか?短い内容でもOKだよ!→

投稿ホーム

☆DISマガジン登録☆
心に刺さる棘は甘い蜜の味 TOPへ戻る

襯iscovery覽OPへ戻る

(c)携帯小説襯iscovery