身上(7)
父とテキ屋の親父さんは 少し安心した顔付きで哲の兄貴に目を向けた。
子供心ではあるが
私がテキ屋を続ける事を歓迎しないように感じた。
父の舎弟に当たる
晃のおっちゃんの舎弟という立場は父の若い衆も同然である
その 実子を預かるという事になれば責任が重かったはずである
私は その事さえ解らず テキ屋という商売をする事を
父が許してくれたという嬉しさに1人で気持ちは ハシャいでいた。
しかし父はそれを見透かしたように……また
テキ屋の親父さんの立場や気持ちを考えた上で 話しを続けたのだろう
「頼みが1つ有るとバイ こっちからケンジの事を
お願いするとやけん 絶対にケンジを甘やかしてほしゅうはなかとです
これはワシから 晃にも云うときますけん 人一倍の苦労ば教えちゃくれんかぁ?」
テキ屋の親父さんも父の云う意味をすぐ理解して言った。
「ワシらも仕事です 誰様の子供であれ区別をして 扱うつもりも有りません!
ケンジ本人が選んだ道でっさかい
仕事として覚悟してやって貰おうと思とります のぅ哲」
念を押すテキ屋の親父さんに父は再び頭を下げた。
リビングに居た母だけが何故か心配そうに振り返り
私の顔をじっと見つめていたのが不思議に思えた。
【0041】
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