Uターン(1)
依頼者である妻から、夫の浮気調査を受けた私は
夫の会社 に張り込みをしていた車の中で、
依頼者から意外な事実を耳にした。
「妹さん?貴方のご主人と妹さんが、
信頼関係にあるというのは、どういう事ですか!?」
車の後部座席をミラーで覗き込むようにして依頼者に尋ねた。
彼女は意を決するかのように、ひと呼吸したあとに言った。
「ゆりは、主人の恋人だったんです 昔……今は、
2人は付き合ってはいません。でも、何か有れば必ず相談するんです。
主人は、仲が良い義理の妹だと言ってますゎ 私も賛成なんです。
お互いの情報を交換しています。私の知らない事まで……
ゆり が教えてくれますゎこの間も、ゆり から電話が有って…
夕べ、主人が泊まる事を、あらかじめ訊いていたんです」
確かに、依頼者は私にこのように話したと記憶している。
依頼者である妻の夫と妹が昔、恋人同士だった。
そして、現在も仲が良い関係で、ふたりは相談相手だと云う。
小説のような話だと私は思ったが調査の仕事をしていると、
数多くの不思議でもあり不自然な人間模様に遭遇する事が多い。
それは当然、人の裏側を調べるという因果な商売だと改めて認識する他なかった。
私は、この話しを訊いて依頼者の妹に会う必要があると判断し、
張り込みをしていた夫の会社をあとにして
依頼者の近所に住むという妹のマンションに向けて車を Uターン させたのだ。
【0012】
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