◆エッセイ
「あったぜ、親父の体臭消し!」
佐々木 忠 様:作
「夕べ、飲みに行ったのよ。
したらね、なんか臭わない、あんたの体?」
と、後輩の保母士さんから言われたと言う。
「えっ、女にも加齢臭があるんだろうか?
まぁ、男の場合はよく言われるがな。
あれなのかな、
汗臭いとか脂ぎっているとかとは違うのかな、加齢臭は?」。
「お父さん、女も男も同じよ。
ある年齢になると、体臭が表に出てくるのよ」と、女房殿。
「そうだ、あたしも旦那が使っている香水でも付けるかな?」
と、年配の保母士さん。
「なんだ、あんたの親父殿が香水だ、男のくせに?」。
「あぁら、クールビーズなんて流行っているでしょ。
そんなんで、オープンな部分が多くなったでしょ。
それに、若い女の子たちなどの部下だっているでしょ。
いつだったかね、そう言われたことがあったらしぃの。
結構神経を使ってね、ストレスの温床にもなるんだとこぼしていたわ、
旦那が。デパートの、メンズフロァで相談したらね、
結構男性の方も常識になったと言われたんですって」。
「服に付けて、プンプンさせて置くのか?」。
「あのね、裸とか下着の状態の時にね、
ウエストや脇の下などにスプレーするのよ。
男性って洋服を羽織るでしょ。
だから、少し多い目でも付け過ぎにならないのよ」。
「ふーん、で、どんな奴を付けるんだい?」。
「そうね、オゾン系、柑橘系、
爽やかなウッデェ系(グリーン)とかマリン系など、色々あるわ。
自分で気に入ったね、系統のものを選べばいいわ。
無論あれだけど、実務派とか演技派とかあるらしぃけどね」。
「演技派、つまり色男ぶっている訳だ?」。
「お父さんも、見習いなさい、分かった?」。
「そんなに、ジジイ臭いかよ、俺はお酒で消毒してりゃーな」。
「でもまだいい方よ、私がお風呂に黒酢を入れて上げてるからね」と、女房。
「なんだ、それでか、少し濁ったような感じがしているのは?」。
「黒酢、マジッ?
体が、お酢臭くなるんじゃないの?」と、保母さん。
「あのね、人間が食べた後にはね、
エネルギーにする<クエン酸回路>と言うものがあってね、
それで食事や生活のバランスを取っているんですって。
この回路に支障を来たすとね、
アルカリ性が多くなって体が臭うようになるんだって。
だから、クエン酸が主成分である黒酢とかね、
醸造酢などを配合したお酢を入れて入るのよ。
要するに、クエン酸回路を正常にお酢で戻して上げるのよ。
そのことで、臭いが解消されるのよ。
もっとも、クエン酸の入っていないフルーツ関係のお酢はダメよ。
それにね、脂ギッシュな人はね、このお酢やそうね、
お塩などをタライに入れて軽く頭の皮膚とかね、
お顔を拭いても取りあえず効果があるんだって。
そう、クリニックの先生が仰っていたわ」。
「そうか、その割には酢の臭いがしねぇのはどう言う訳なんだ?」。
「お酢はね、水とかお湯に入れるとかえってまろやかになるんですって。
もっとも、では旧K町で有名な木炭の液酢をも使ってるわ。
あの、チョッと濁るのはそれが原因でお酢じゃないわ」と、
女房殿が物知り博士が如く話していた。
この「木炭の液酢」であるが、炭を作っている間に出来る汁のことである。
これは、とても匂いがよくちょうど「森林浴」に浸かっているような気がする。
香りだけではなく、こうした体臭などの浄化作用があると言う。
わが県の、広葉樹から出る名産でもあるのだ。
勿論、黒い液体ではあるが20ミリ程度お風呂に入れるのである。
仮に飲んでも、害にはならないので安心して使える。
山の自然な、恵みと言っても過言ではない。
「下手な化粧品よりもいいわ。
体臭も取れるし、自然物だから後遺症も出ないわ」と、女房。
「そう言えやぁあれだな、肌もツヤツヤして滑りもいいな。
皺もあんまり出ないな。
なんと言ったっけ、確かスパットとか言ったな。
もったいないなぁ、スッキリとかスカッとかにすらぁよかったのになぁ」。
「スカッと爽やかコカ・コーラとか言うメーカーに、
小言を言われるんじゃない」と、保母士さん。
「なるほどー、その手があったか。
あんな小さな町でも、結構研究しての命名かもな」と、改めて感心した。
「スパッと決まる爽快感とでも、銘々しょうか?」。
「それ、ちょうだい、一番安心だものね?」と、保母士さん。
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