エッセイ

おやじ 何処行った〜。
リチャード 木矢様:作



[紹介文]父の葬儀での出来事。


 渓流でのアユ釣りが好きだった父が、
糖尿病で床について二年目の秋、
再び川に戻ることなく病院のベッドの上で人生の幕を閉じた。

 見舞いには何度か行ったが、やせ細った顔や手足には、
あの元気だった頃の面影はなかった。 

 葬儀の朝、最後の別れをしようと、
棺のふたをそっと開けると、
   「 おやじー おやじが消えた」
 と、私は大きな声を出していた。 

 そこにいるはずの父がいないのだ!。 

  私は腰を抜かしそうになって身体中が、
 ガタガタと震えた。

早朝から、手伝いに来ていた隣のおばさんが、
     お棺の蓋を指差しながら

  「 おやさん、裏ぶたにくっついとるよー」

  と教えてくれた。

  
   すまん親父、ネタにしてしもうた。 合掌





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